FM世田谷「劇ナビ！」5月26日谷賢一さん その３

FM世田谷の「劇ナビ！」という番組で、植本純米さんと谷賢一さんがお話していた時のメモです。

前回までメモしたのは、谷さんの大学時代の『マクベス』の演出の話。今日はその続きです。  

植本：やらないかって言われたんだ！

谷：そうです。

植本：はー！名乗りを上げたんじゃないのね。

谷：なんでそうなったかっていうと、僕がイギリスいっている間に日本の大学教授と文通みたいなことしてたんですよ。イギリスではこんなお芝居が面白かったですよ、とか、こんな授業がおもしろかったですよみたいなことを、偶にですけど、手紙に書いて送っていたら、僕がたまたまマクベスのレポートを書いて、そのレポートについて教授にお話ししたら、来年シェイクスピアプロジェクトがあるから、マクベスで演出してみないかみたいな話があって。

なんか、立派だな！有名人の若いころの話を聞くと「うちの子もいい青春時代を送ってほしいな…」というオカン目線になってしまいます。好きなことを思い切り貪欲に追いかけてほしいですな。

植本：それは、復学が決まっていてってことだよね？

谷：そうです、日本に帰ってくることが決まっていたので、やることが決まったっていう流れでしたね。

植本：しかもさ、見たら出演者が80人って書いてあったんだけど。

谷：80は大げさじゃないかな。50くらいじゃないかな。

植本：でもほんとはそんなに必要ないじゃない？

谷：全然いらないっす、そんなに。

植本：コンパクトな戯曲です。

谷：ただ、最後の方で合戦のシーンがあるじゃないですか。

植本：森が動く。

谷：あそこらへんでやたらと人を出したので、結果的に戯曲で必要な人数プラス30人くらい出てた感じでしたね。

植本：それさあ、出演者なり周りの関わる人たちはさあ、そんなに賢兄のことを知ってるわけじゃないでしょ。

谷：いや、それが知ってたんですよ。やっぱりなんかちょっと変な人ってことで、大学内でちょっと有名人だったんです。

植本：高校じゃなくて大学でも！

谷：なってましたね。騒動舎に入ってるって時点で、あいつやばいやつだぞっていうのがあって、その騒動舎関係で何回か処分くらったりとかもして有名になっており、おまけに留学して帰ってきて、今1学年下のクラスと一緒に勉強してういてるらしいって有名になってて。だから知らない人はあんまりいなかったです。

植本：軋轢とか、みんなちゃんとついてきてくれたの？

谷：あー、ついてきましたね。

植本：それはすごいよね。動員も含めて、足掛かりとしては最高じゃない？

谷：いやだから、そこで1800動員して、その1800人を、そのあと自分が旗揚げした劇団がこえるまで、10何年かかりましたね。ちょっとデビュー戦としては大きすぎたっていう感じですね。

谷さん、けっこう生き方に勢いのある方なのだなと、面白く拝聴しておりました。なんなの、その処分って…。

続きます…。