湯長谷の日記

佐々木蔵之介さんを推しています。蔵之介さんがかわいいとだけ書いてあるブログです。

2020年4月24日『カブキ・チューン』(ゲスト:佐々木蔵之介)スクリプト2

尾上:ジョン・レノンで"Watching The Wheels"、お聞きいただきました。
尾上右近のカブキ・チューン、本日は俳優の佐々木蔵之介さんをお迎えしてお送りしております。ところでですね、去年のちょうど今頃、あの京都で僕が撮影で行っていて、でちょうどご連絡先を伺って、マネージャーづてに伺って、でお兄さんにご連絡したんですけど、何かこう合わなくて結局お会いできなかった。

 

佐々木:『燃えよ剣』。

尾上:さようでございます。

佐々木:で、僕が?

尾上:何撮っていらっしゃったんですか。僕そこまで伺ってないんですよね。

佐々木:京都だから『嘘八百』だったと思う。『燃えよ剣』はすごい大変やもんね。

尾上:何がですか…。

佐々木:撮影が。何がですかっていうのは逆に、何が大変…。

(笑い)

尾上:でも、大変って。すごい楽しかったですよ。超絶的に楽しかったです。はじめて、誰も僕のこと知らない共演者・スタッフ、そんな環境の中で飛び込んでいくと。そして認めてもらう瞬間もあったりなかったり。そういう、何て言いますか、武者修行というか。

佐々木:そんなに、時代劇でロケとかやったことってあんまりないの?

尾上:僕、映像のお芝居は、あのほんと1回目はちょこっとで、しっかりしたお役で、そして映画は、もう今回初めてだったんですよ。

佐々木:本当に!

尾上:ですから是非お会いしてお話を伺いたかったんですけど、去年タイミングがあわず。ということで、今日は色々お話しさせて頂きたいんですけども、このコーナーをちょっと儲けさせていただきました。質問コーナーを設けさせていただきまして、色々とお兄さんにお話を伺いたいと思っておりますが、よろしいですか。

佐々木:いやです。

尾上:いや、よろしくお願いします。そこをなんとか。そこをなんとか。

(笑い)

尾上:どうしてそこで「いやです」って。色々と蔵之介兄さんの今までのことっていうのをちょっと伺いたくて。まずその「家業を継がない」という覚悟のお話を伺いたいんです。僕も今でこそ清元もさしていただいているんですけれども、そもそもは役者をやりたいっていうんで、跡継ぎにはならずに役者をやるっていうところから入ったんですけれども、そのあたりっていうのは、どういうお気持ちでいらっしゃったんですか。

佐々木:次男だっけ。

尾上:そうです。

佐々木:ああ、ぼくも次男です。

尾上:ええ。

佐々木:清元はみんな継ぐことになってるんですか。

尾上:よっぽどのことがない限りというか、何か別にこれがやりたい、どうしてもいやだとかいうことじゃない限りは皆さん継いでいくっていう形にはなっていますね。まあ、それは歌舞伎役者と同じかな。

佐々木:ああ、そうなんですね。僕は実家が造り酒屋だけど、継ぐ人は一人だから、結局今はね、弟が継いでくれているんですけど、実は僕はその実家の家業を継げという風にあの両親から言われたことはなかったんですよ。だから、高校2年の時ですかね、その文系にいくのか理系に行くのかみたいな、そういう診断テストみたいなんが、アンケートみたいなのかな、それ学校でやって、こう適当にやってたんですよ。でまあ、僕大学文系行くわみたいなことを、家に、母親に見せたんかな。そしたら母親が、「家業を継ぐという選択肢があるよ」って言ったんです。そこで、もう遅いですけど、高校2年の時「あ、佐々木酒造を継ぐ選択肢があるのか」と。兄は全然、理系の全然違うこと行こうと思ってたから、その気はなかった。で、僕が「ああ、別に僕継いでもいいけど」みたいな。そんな簡単なことで。で、僕がやるって言ったら、「あ、やってくれるのか」と。喜んでくれて。そういう流れで、まあ大学は農学部いって。勉強して。大学卒業したらすぐ家入りなさいとか言われたんだけど、いやまあちょっとすぐ入るのはと。その時、演劇サークル入ったんやけど、演劇サークル入った理由も、父は人前で話さなあかんから弁論部みたいなもの入ったみたいにいうてたから、僕もなんか人前でちゃんと話せるようにならなあかんてなって、たまたま色んな絡みがあって演劇サークルに入ったのね。そういうつもりで入った演劇なんやけど、演劇って作るだけじゃなくて、公演を宣伝しなきゃいけない、売り方を学ばなきゃいけないと思ったから、佐々木酒造でもお酒作っても売り方をやっぱり知っていた方がいいだろうと思ったんで、じゃあ広告代理店かなと。そういう理由で、じゃあ、代理店行きますと。勉強してから佐々木酒造帰りますいうて。

尾上:すごい切り口で本当にお考えになってましたね。

佐々木:一応自分の中で理路整然としてたんですよ 。佐々木酒造を継ぐため、ずーっと、ぴちーっとなってたつもりなんですけど、どこで間違ったか、なんか演劇のほうにいってしまったんですね。

尾上:そして、俳優になるってご家族におっしゃって。

佐々木:俳優になるっていうか、そうやね、要するに会社2年半勤めたから、ごめん会社辞めるって言う…会社辞める、すなわち、家継ぐ、家業を継ぐのは諦めてもらうっていうふうに。

尾上:そういうころで、役者一本という道に進まれたわけでいらっしゃるのですよね。一番つらかった時期っていつ頃でいらっしゃいますか。役者人生の中で。

佐々木:つらかった時期…。あまりつらいと思ってないですね。おしなべて同じようなもんやと思ってますけどね。劇団の時に食えたかっていったら食えてないけど 、そんなもんだと思ってたし。下積みって考えたことはない。なんで?つらかった時期あるの?

尾上:いや、僕は…あります。まだ短いですけど。僕、声変りがつらかったですね。

佐々木:それもうプロフェッショナルや。

尾上:いや、まあ舞台に出るにあたってってことでしたけど。

佐々木:そんな過程、僕、経てないですもん。そんなときからやってないですからね。全然違うねんて、やっぱりね。

尾上:すみません、質問がとびとびになっちゃうんですけど、お仕事をなさっていて、ご準備をなさる時間とプライベートと、インプットとアウトプットっていうのがあるじゃないですか、そのバランスっていうのはお兄さんの中でどういう風に捉えていますか。

佐々木:あんまりないんですね。あんまりオンとオフがそんなにないんじゃないかと。つまりあまり上手にできてないと思いますよ、僕。

尾上:常にオフ気味というか。

佐々木:ちゃうよ、常にオン気味って言って。

尾上:ああ、ごめんなさい。常にオン気味、まちがえちゃった。単純に今言葉を間違えました。

佐々木:でもみんなそうなんじゃないかな。なんかちょっとお風呂はいっているときにそのことを考えたりしまったりとか。これ休もうってときに、そういう時に思いついたりするんかな。最近はだから本当に、夕方、よしもう5時からとか、早いねんけど、早いな、5時からもう仕事しんとこって思ったり、オフの日は。オフの日でもオフじゃないでしょ、テレビでなあかんけど。でももう夕方5時からやめようとか。切り替えたりはしようとしていますね。

尾上:お酒飲まれてってことですね。

佐々木:お酒を飲んだりとか。昨日は僕、何もなかったんですよ。で、もう、入れなあかんやつあるじゃないですか。どうしようかなあ、でもセリフいれなあかんからなあと思って。朝ちょっと、シャンパンがちょっと残ってたから、さあちょっとこれ、朝シャンを、よし、気合い入れようと。よし今日頑張るぞって思って、朝もうがーっと2杯飲んで、ちょっとこう、入ったんですよ。なんかね、お昼2時頃に、ちょっとなんかどうもあかんなと思って、自然と酒屋に足が向いて、ちょっと安いカヴァを買ってしまって、スペインの、でそれをもう3時ぐらいから始めて…昨日は全然仕事せんかった。朝の2杯、その気合の入れ方が間違ってんやろね。

尾上:そういう日もおありなのですね。

佐々木:もちろんありますよ。いろいろ質問を聞こうとしてるけど、全然ちゃんとした答えが出てないでしょ。

尾上:ちゃんとしたっていうか…全然…びっくりする角度からのご返答をいただいて…

佐々木:そやな。もっとまじめな答えがくると思ったらこんな(笑)

尾上:いえいえ、全然そんなことないんですけど。


佐々木:でも僕、だーんって休みがもらえたら、旅行とか行ったりする。

尾上:猿之助兄さんからもよく伺っています。旅行によく行き過ぎたみたいなことをおっしゃってますよね。

佐々木:だから亀ちゃんが休まなすぎやねん。休んだらええやん、その期間。なんで休まへんのと。

尾上:なるほど。

佐々木:なんか仕事入れようとするでしょ。(編注:このあたり聞き取れなくて少し書き起こせていないところあります。)

尾上:自然体にお答えいただくって、こうなんか、全然かっこつけないで姿を見せていただけるっていうのがすごく嬉しいです。すみません、私の質問コーナーは、ここでひとまず、ラジオのコーナーとしては、一区切りとさせていただきたいと思います。

佐々木:これ別に普段飲みの席でも全然できた質問コーナーやったね。俺の返答がね。

尾上:それをきっとリスナーさんは聞いて嬉しく思って下さってると思います。さて、続いての曲に参りたいと思います。蔵之介さんのリクエスト曲、どんな曲でいらっしゃいますでしょうか。

佐々木:はい、Huey Lewis & The Newsの"Power of Love"。

尾上:これはまた、選曲は、何故にこの曲を。

佐々木:これね、僕、次『麒麟がくる』で木下藤吉郎役をやるんですけど、劇団の頃にね、光秀の役やったことあるんですよ。で、その時登場人物は信長と秀吉と光秀でやってて、僕、光秀の役をやったことあるけど、これどんな話かって言うと、ある日、雷が山に落ちるんですね。信長さん「ちょっと見てこい」て言って、光秀が見たら、もうなんか、なんか燃えてるんですけど、何か一つの部屋みたいになってて、なんだって言ったら、東大合格!とか、テレビみたいな、これをテレビとは言わへん、ていうのは時代劇やから、なんだこの四角いものは、これはひょっとして手元で操作できるのか、リモコンとかそんなことはない、コンセントを入れてもつかぬ、そもそも電気が来てないとか、電波が通ってないとかいうネタを入れながら、それは現代の受験生の部屋が急にタイムトリップしてきちゃった。見たら、そのチャート式日本史っていうのがあって、なんじゃこれはって手に取ってみたら、なんと光秀が本能寺の変で殿を裏切るっていうのが出てて、やばいと。これが殿に見つかったら俺は殺される、やばいぞこれは隠さなきゃいけないっていうことで、全ての歴史がわかってしまったんです。やっべーっていう話なんです。これがあの”Back to the Future”の曲なんです。この曲を流してこの時代劇をやってたんですよ。

尾上:そこにリンクしてきた曲をお選びいただいたと。それではまた蔵之介兄さんに曲ふりをお願いしてよろしいでしょうか。

佐々木:はい。Huey Lewis & The Newsの"Power of Love"。

 

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