湯長谷の日記

佐々木蔵之介さんを推しています。蔵之介さんがかわいいとだけ書いてあるブログです。

プレミアムリーディング「もうラブソングは歌えない」松本利夫×野波麻帆「Re:」

「ひとりのふたり」の観劇日記が長すぎたので、こちらはさらっと…。でももちろん、こちらもすごく良かったです!


会場に着く前からも着いた後も、なんだか落ち着かなかったけれど、「Re:」が始まって劇場が上演モードになったことでようやく心臓にも落ち着きが戻ってきました。2人の役者さん、野波麻帆さんと松本利夫さんが一緒に入ってきます。トーンは違うけど、2人ともグレーっぽい感じのお召し物が素敵。EXILEのメンバーってあまり名前を存じ上げないのだけど、松本さん、あ〜、この人は深夜に冠番組もってらっしゃるの見たことあるぞ!と思いました。席に座る前、松本さんが野波さんにガッツポーズみたいな感じをして見せてかわいかった!野波さんはタンブラーみたいなもの、松本さんはペットボトルにストローをさしたようなものに飲み物を入れている。椅子がレザー調で座り心地良さそう。


以前に別の役者さんのバージョンを見たことがあるこの作品、初演は2012年だったようです。今回、演目を知った時に、あれをやるのか、個人的な内容を会社のメールアドレスでやり取りするっていう流れに自分は違和感持たないかなってちょっと心配しました。私が社会と断絶させられて子育てと格闘して会社員休んでいたこの数年間で、世の中って予想以上にコンプライアンス的な行動規範がしっかり浸透してきたイメージがあるんですが、気のせいでしょうかね…。メールタイトルに雑談感がだだ漏れでこんなのが受信トレイに見え隠れするの怖すぎませんか…とか、それ明らかに仕事の打ち合わせのメールだけど同行する上司にCC入れないのか…とか、会社のメールで愛のやり取りって…8年前の世の中ってこんなのOKな感じだったかな…とか、やっぱり最初ちょっとむずむずしてしまったけど、すぐにストーリーの中に没入していけました!こういう設定って、時代が近い方が違和感が引っかかってしまうっていうのはあると思います。むしろ文通のほうが、もはやファンタジーの域に入っていてむしろすんなりいけるのでは、とも思ってしまいました。だからってメッセージングアプリに置き換えて書き直してほしいっていう話をしているんじゃ全然ないんだよ!そういう趣旨の文章じゃないよ!私が勝手に感じた違和感は作品の良さを一切毀損してないよ!!


あと、座席が観客同士の間が1つ以上開けられている状態だったのだけど、最初ちょっとだけ、笑うことに心許なさを感じてしまいました。でもそれもすぐになじんだけど!劇場という空間では、隣同士知り合いじゃなくても「隣の人も面白いと思っているんだな」って無意識に感じとって自分も楽しんでいるものなのだなあと、自分の体で実感しました。


なんだか作品と関係のないことをぐだぐだと書き始めてしまったけど、つまりは何を書きたかったかというと、作品に入り込んでいくまでの間、ほんの少しの違和感が私の心に去来したけど、そんなものをすぐに吹き飛ばしてくれるくらい、お二人とも熱演してくれたってことです!


あらすじは、勘違いから送られたメールからはじまる男女の物語…みたいなところです(紹介が短いな)。


個人的に特に印象深かったのが物語の後半です。なつきさん(女性の方)がメールに返信をしなくなった時期があったのですが、その後にまたやり取りが再開されたころ「ああ、こんなことが語られてたんだ…前に見た時はここのくだり、こんなに鮮やかに受けとめたかな…」と思いながら観劇していました。なつきさん、結婚生活がうまくいかず一人暮らしを始め、経済的にも困難を抱えてアルバイトを掛け持ちしながら生活しているのですが、メールの中でさんたろうさんが帰国したら会いたいということを言ってくれた時、会いたくない、このままたまにメールをするのがいいと答える流れがあります。外見を含め自分が変わってしまったから、さんたろうさんに会うのが怖くなっているということですが、毎日の精一杯のルーティンとささやかな幸せで十分になっていて、大きな変化や幸せを受け入れることが怖くなっている感じがあったと思います。あのですね、こんなこと書いていますが、別に私が今さら(婚外)恋愛にあこがれてるとかじゃさらさらないですからね!ほんと、ここは南紀白浜かってくらいサラッサラですわよ。ていうか、思えばこの間からミドルエイジクライシスみたいな心の中を観劇日記に託けてくどくど書き散らしているけど、なんだそれ、黄昏流星群かな?まあでも大きな変化やチャンスを前にして「このままでいい、このままがいい」と思ってしまう気持ちってあるよなあ…としみじみしてしまったのは確かです。書いていて思い出すのは、最近、仕事(っていうほど大したことはやってない)で、社交辞令だとは思うけど「もっと踏み出せばいいのに」ということを言ってもらえた時、自分を取り巻く環境のことを考えて「そんなことできるわけない」という結論に0.5秒で着地してしまった自分のことなどです。実際無理なわけだけど、いや、実際ってなんだ?変化を恐れすぎでは?と自問自答したりします…。


それと、スペインに行った後のさんたろうさんからやたら明るいメール(なつきさんにスルーされる)が2通来たわけですが、あれが松本さんのビジュアルと妙に親和性高くて笑っちゃいました。私が以前に見たバージョンは、爽やかさ偏差値ぶっちぎって測定不能みたいな俳優さんが演じていたので「うわー、なんかスペインいってテンションあがっちゃってるね?キャラ変わっちゃったねえ!」みたいな感じだったのですが、今回の松本さんは「スペイン行って本当によかったね!ここが本当の居場所だったんだね!」みたいな気分にさせられたので、感じ方って面白いですね。


「佐々木さん」「蔵之介」「うなぎ」などなど、蔵之介さんファンが多いと思しき会場をクスクスさせるには十分なワードが散りばめられていたけれど、記憶が明確ではないのですが、このへんの流れも特に原作を書き直していた記憶もなくて、たぶんオリジナルのまんまなんだろうと思います。まあ「うなぎ」で蔵之介さんファンがときめくようになったのは最近の話ですが…。


それにしても、意外と長く書いてしまった!!