湯長谷の日記

佐々木蔵之介さんを推しています。蔵之介さんがかわいいとだけ書いてあるブログです。

映画『少年H』の感想

妹尾河童さんの自伝的小説、みたいな感じになるのでしょうか。
子供時代、戦時中から敗戦の時を迎えたあたりの時間を過ごした思い出が描かれています。

まずオープニング見ていて、「水谷豊…伊藤蘭伊藤蘭ちゃん???夫婦共演なの!」とびっくり。洋服の仕立て屋さんの水谷さん、とってもジェントルマンで素敵~!

 

この作品、また家事のおともにちょびちょび見ていて、私が映画をつけると例によって子供たちがぴゅーっと寄ってくるのですが、なんだか珍しくてよくわからない話をしているという感じだったみたいです。私が子供の頃は、夏になると、ちょっとほの暗いトーンで、戦争を知る番組みたいなものがよくやっていたりして、子供心に「こういう時代になったら怖いな」みたいな事は思っていたと思ういます。よく言われることかもしれないんですが、ほんとに年々、「戦争を学ぶ」みたいな機会が減ってるんじゃないかなと感じました。もちろん、うちの子供たちはまだ小さいので、そんなこと言っても…みたいなところはあると思いますが、それにしても、子らの反応を見ると「戦争に対するイメージの空白」っていう感じがする。


太平洋戦争みたいな戦争じゃなくても、抗うことができない時代の波に飲まれて、自分たちの生活や自由や将来といったものがどんどん狭められてくる感覚を、作りものであっても見たり聞いたりしておいて、いざ自分の身にそういった変化が起こってきたときも自分を見失わずに生きていける強さを持っていて欲しいなと、オバチャン、子らに対して思いました。


ところで、蔵之介さんは、主人公が入学した中学校の軍事教練の先生だったんですけれども、原田泰造さんが演じている先生がめちゃくちゃ厳しい人だったのに対して、戦争前の心を忘れていないという雰囲気があってとてもよろしかったです。もともと時計屋さんだった方です、素敵!怖い先生に目をつけられている主人公を自分の下に所属させて守ってやるというような振る舞いをなさいます。登場した瞬間、めちゃくちゃかっこよくて、陰鬱な中学校のシーンにハートが降り注ぎました、私の視野の中だけの話ですが。


戦後はもとの時計屋さんに戻ります。蔵之介さんに、時計屋さんとかそういう、細かいことをやるものづくりの職人さん、めちゃくちゃ良くないですか。なんだろう、時計屋って字面だけでときめきますよね。こういう、静かににこやかに自分を持って生きている市井の人みたいな役があったら、映画界の皆様、何かと佐々木蔵之介様をキャスティングしがちじゃないですか?いいよいいよ、みんな軽率に蔵之介さんをキャスティングしていこう。好き〜!